鍵のOEM錠とはサッシメーカーやハウスメーカーが鍵のメーカーからOEM供給を受けて戸建住宅の玄関ドアに採用される錠前のことをいいます。フロントにあるプレートに鍵のメーカーの表示だけなくサッシメーカーの表示や型番の記載があればOEMの錠前といえるでしょう。
近年の戸建住宅の玄関ドアの錠の多くがサッシメーカーやハウスメーカーのOEM供給です。
マンションなど集合住宅においてもサッシメーカーのOEM錠がどんどんシェアを伸ばしています。
このOEMの錠前に使われる鍵のメーカーはMIWA社、GOAL社、ALPHA社、WEST社、SHOWAユーシン社などですが、その中でも多くはMIWA製、GOAL製のものが見受けられます、これら戸建住宅の玄関ドアの主流はプッシュプル錠です。
形状やデザインは多彩で、シリンダーと一体化したグリップハンドルのものや、ラッチボルトのみプッシュプル錠で別に本締錠の鍵が上下に2つ付いているバーハンドルのものが多数を占めます。内部シリンダーも戸建住宅向けに独自の形状をしていたり色も豊富なバリエーションがあったりします。
これらは住宅購入者には入居時のうれしい選択になるようですがその後の交換時の対処や鍵屋の対応としては複雑化してる部分ではあります。多品種少量の生産体制になっていたり、競争のためか商品のサイクルが短くなっていてドアのシリーズ名称が数年で変わり同じメーカーのプッシュプル錠でも外観も鍵の形状もまるで違う事や、特定期間の製造で廃番ということもありました。
通常のシリンダー錠やドアノブ錠などは通常在庫で即交換することが出来る事が多くありますが、このようなOEMのプッシュプル錠やサムラッチ錠の交換用のシリンダーを在庫しておくことは、大きな取扱いのある鍵屋でもその全てを在庫することは不可能です。したがって事前に出張確認を行った上で鍵屋を通してメーカーに発注をかけ取り寄せる事が大変多くなります。
納期も数日から長ければ1ヵ月以上要することもしばしばで費用も通常のシリンダー交換に比べれば高額になるためいろいろと考慮する必要があるでしょう。
さてこのサッシメーカー、ハウスメーカーですが、サッシメーカーには、トステム、不二サッシ、新日軽、YKK、三協アルミ、立山アルミなどハウスメーカーには、セキスイ、ヤマハ、ナショナル、ミサワホーム、ダイワハウスなどがあります。
代表的なところでトステム社について触れておくと、トステム(TOSTEM)とは金属製のサッシ・建材・バス・キッチンなどの製造メーカーで、国内ではとくにアルミサッシの製造で国内シェアNo.1であったことから高い知名度を誇っているメーカーになります。近年では業界をまたいで会社が統廃合される中、2011年にINAX・新日軽・東洋エクステリアなどの会社と合併する中で現在では株式会社LIXIL(リクシル)として営業しており、トステムはLIXILが手掛けるブランドの一つとして現在も商品が販売されています。
同ブランドが展開している商品ラインアップは幅広く、サッシ・窓・シャッター・玄関ドア・引き戸・屋根・外壁材・エクステリア・インテリア建材などから、高性能住宅・ビル・マンション・店舗向けの資材なども手がけているようです。弊社のような鍵屋やお客様にとって一番身近な個々の住宅の玄関ドアには、トステムと表記されているケースを多く見かけます。トステムに限らずサッシメーカーやハウスメーカーが幅広く事業を展開する中でドアに採用されるプッシュプル錠やシリンダー本体の種類が多様化され複雑化するのもやむを得ないことといえるでしょう。
鍵屋によってはこの複雑化してきているプッシュプル錠やOEM錠の取扱いをしない、交換が不可な業者もあるようですが弊社では長年の経験の元、丁寧に取り組んでまいりますので他社にお断りされたお客様も含めお気軽にお問い合わせ下さいませ。